岡田温司|〈すべての芸術は音楽の状態を憧れる〉、再考

February 9, 2013|講義

講座「Theory Round Table」の一環として、 岡田温司氏(西洋美術史)による講義が12月22日に行なわれました。

ウォルター・ペーターが『ルネサンス』のなかで述べた、「すべての芸術は音楽の状態を憧れる」という有名な台詞を出発点に、この発言が、各々の芸術の抽象化、純粋化、自律化の方向を示すと同時に、異なるものへの憧憬、すなわち、互いの交通や共訳可能性、諸芸術を統一するモデルでもあるという、パラドキシカルかつ横断的な議論を含む問題として検討されました。
アルナルド・ジナンニ・コッラディーニの抽象映画の試み(水彩スケッチによる)や、リュミエール兄弟の『蛇踊り』、ハンス・リヒターの『リズム 21』、レオポルド・シュルヴァージュの『色彩のリズム』などが取り上げられ、ワーグナー主義とは異なる結び付き、混交の在り方が分析されました。

2012-12-22%2020.15.01_okada.jpg2012-12-22%2019.21.58_okada.jpg


Lecture: 123456789