Theory Round Table 講義=岡田温司[12月22日]
〈すべての芸術は音楽の状態を憧れる〉、再考
〈すべての芸術は音楽の状態を憧れる〉、周知のようにこのせりふは、19世紀の末、ウォルター・ペーターがその著『ルネサンス』においてヴェネツィア派の絵画を形容して述べた金言である。以来これは、純粋化と自律化を志向してきたモダニズム芸術のひとつの推進力とみなされてきた。だが、音楽とのアナロジーは、逆のベクトル、つまりメディウム間の混交と交流への志向としても働いてきたという経緯がある。いわば反ワーグナー主義とワーグナー主義とが、このアナロジーの内に錯綜したかたちで共存しているといえる。そのあたりの状況を、1910‐20年の美術と音楽と初期映画を例に皆さんと一緒に考えてみたい。――岡田温司
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Theory Round Tableでは、岡田温司氏(西洋美術史)をお招きして講義を行なっていただきます。
なお本講座は、「美術史再考――知覚の変動としての歴史あるいは知覚されたものとしての歴史」を2012年度の共通テーマとして開講されます。
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申し込み方法
*この講座の受講生以外の方も、1コマ2,000円の受講料で聴講することができますが、会員以外の方は、別途入会手続が必要です(入会金:3,000円)。
*事務室までお電話/ファックスでまたは直接ご予約ください(定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください)。
■日時:2012年12月22日(土)18:30-20:00
■会場:四谷アート・ステュディウム講義室 【地図】
■受講料:2,000円
■お申し込み / お問い合わせ
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300
岡田温司│おかだ・あつし
1954年生まれ。西洋美術史。京都大学大学院教授。主な著書=『もうひとつのルネサンス』(平凡社ライブラリー)、『ミメーシスを超えて──美術史の無意識を問う』(勁草書房)、『モランディとその時代』(人文書院)、『芸術(アルス)と生政治(ビオス)』『フロイトのイタリア──旅・芸術・精神分析』(以上、平凡社)、『肖像のエニグマ──新たなイメージ論に向けて』『デスマスク』(以上、岩波書店)、『アガンベン読解』(平凡社)など。