羽田澄子|私は何を表現したいのか?
February 15, 2012|講義
「ことばのpicture books講座 あわいにある篇」の一環として、羽田澄子氏(記録映画作家)による講義が、11月25日に行われました。
まず、羽田先生が岩波映画で最初に監督された作品『村の婦人学級』(1957年、26分)と、初めての自主作品『薄墨の桜』(1977年、42分)が続けて上映されました。鑑賞後にそれぞれの作品についてお話をうかがいました。
『村の婦人学級』は、戦後の農村(特に女性の生きづらさ)を社会教育で変えようとしていた時代のドキュメンタリーでした。嫁であり母である女性たちの思いを映画にとらえ、その後も彼女らとのつながりを大切にしたことも、羽田先生の表現におけるスタンスであることが述べられました。
『薄墨の桜』は、樹齢千三百年以上の桜の古木との出会いから作られました。羽田先生は、71年に『法隆寺献納宝物』という映画を作り、千年以上という時間を実感していました。いのちの時間ということに思いを深め、シナリオは書かずに、その時思ったことを撮り、自分が見たい物を作りたいと撮った、ということが語られました。