蔵屋美香|あつく塗る――ゴッホと由一と劉生と

July 10, 2012|講義

講座「Theory Round Table」の一環として、蔵屋美香氏(東京国立近代美術館美術課長)による講義が、6月28日に行なわれました。

油絵における「厚塗り=インパスト impasto」はどのような局面に使われるのか。主に高橋由一やヴィンセント・ヴァン・ゴッホ、岸田劉生などを取り上げ、彼らが使用する厚塗りを「光、白い部分、質感のある部分、遠近、速度、激情、最後に塗った部分」といった項目に細かく分配しながら、それぞれの意味や効果が分析されました。また、画家が油絵具という粘性の物質に戯れたいという欲望と、それによってイリュージョンを描きたいという欲望との、時代や地域を問わない根源的な問題が考察されました。

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