岡﨑乾二郎ゼミ基礎-1 絵画編|展覧会
October 4, 2013|展覧会
8月5日-9日に、GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVEにて、「岡﨑乾二郎ゼミ基礎-1 絵画編」2013年度受講生による展覧会が行われました。
ゼミの最終課題に基づいて制作された絵画作品を展示。最終課題では各受講生が、文学作品(中勘助「銀の匙」等)を読んで、絵画構想(モチーフ)を組み立て、制作を行いました。文章に含まれている構造=比喩(比例)関係を捉えて、絵に置き換え、画面に「感覚の流れ」を作り出すことを目指しました。
出品者(左上より、画像順):
久保田貴之、川原卓也、佐々木智子、古川丈人
下田伊吹、平野豊、江頭尚子、山内映理子
山内映理子、塚原孝志、宮原明日香、平野豊
本多紀子、山内映理子、鈴木なつき
使用テキスト(一部):
・(3段目左端)右ての谷間を見おろすとまっ黒にしげった森のなかをひとすじの道が縫うようにうねって山脈を貫いてむこうの村へくだってゆく。
そのほんののぞいてみるほどのすきまから山また山が赤く、うす赤く、紫に、ほの紫に雲につらなって、折り重なり畳み重なりはてしなくつづいているのがみえる。
・(3段目左から2点目)春になるとお儒者のような玄関のまえにある李の木が雲のように花をつけ、その青白い花がまばゆく日に照らされてすーんとした薫があたりにただよう。
・(3段目右端)私はそのじぶんから人目をはなれてひとりぼっちになりたい気もちになることがよくあって机のしただの、戸棚のなかだの、所かまわず隠れた。
以上、中勘助「銀の匙」より