岡田温司|ドゥルーズの「イマージュ-クリスタル」とは何か?
July 22, 2010|講義
講座「Theory Round Table」の一環として、岡田温司氏(西洋美術史)による講義が、7月10日に行なわれました。
「運動イマージュ」から「光学的・音響的イマージュ」へ、さらにそこから、「時間イマージュ」へ。ドゥルーズが『シネマ1-2』において設定するこの3つの段階を辿りながら、彼が「時間イマージュ」を説明する際に、もっとも有効な装置と考えた「イマージュ-クリスタル(結晶イマージュ)」という概念を分析しました。
著作においてキータームとなっている「識別不可能性」という概念や、念頭になっているであろう近代絵画の問題、また通底し共鳴する、アリストテレスの〈ディアファネーシス〉や、メルロ・ポンティの〈肉〉の問題なども取り上げ、さまざまな角度から検証されました。