アズビー・ブラウン|Just Enough――足るを知れ
March 14, 2012|講義
Nature of Future―生活文化・耕作ゼミにて、12月10日、ゲスト講師・アズビー・ブラウン氏(建築家/アーティスト)によるレクチャーと、ゼミ講師北川裕二氏と本校ディレクター岡﨑乾二郎が加わり、ディスカッションが行なわれました。
ブラウン氏の著書『江戸に学ぶエコ生活術』に基づき、サステナビリティのシステムについての議論がなされました。江戸時代の生産モデルの一つとして、屎尿が商品として販売されることで、土壌が豊かになり、排出物の河川への流入を防ぎ伝染病を予防し、売る側にも金銭的なメリットが生まれる、といった事例を紹介し、一つの問題解決によって複数の連続した問題を解決するモデルが検討されました。
また、サステナビリティを可能にした商品経済の例として、江戸時代の建築のあり方が提示されました。その時代の建築は、分解して販売可能なもので、一つの商品から自動的に複数の商品が生産される状態と考える事が出来ます。そうしたシステムの中で作られた数寄屋造りなどは、経済と美的感覚の出会いによって生み出されたものと言えるでしょう。“足るを知れ”という問題を考える上で、そうした生産のあり方が重要なポイントになるだろうという議論がなされました。
>> REPORT 1
いとうせいこう/岡﨑乾二郎|耕作=culture=工作