絵本講座 ゲスト講義=高良留美子

July 9, 2008|講義

6月27日、詩人の高良留美子さんをお迎えして「アヴァンギャルドのための絵本講座 20世紀のテーゼとしての女性と表現」(講師=ぱくきょんみゲスト講義が行なわれました。

講義では、八ヶ岳にある井戸尻遺跡の縄文式土器や土偶、住居跡などから、古代文化にみられるイメージの背景に月への信仰(高良さんは太陰的思想と呼ばれていました)があることを話して頂きました。さらに、月への信仰は、自然崇拝、死と再生の死生観(よみがえりの思想)、穀霊への信仰とも重なっていること、月と女性のイメージが重ねられていることを丁寧に解説して頂きました。また、月への信仰は、縄文以降、国の政策により、禁止・排除されたり、影の文化に追いやられてしまったが、無意識に、現代に生きる私たちの心や文化に残っている事が指摘されました。月をキーワードに古代文化を読み解くという新しい視点により、古代人の世界観、価値観と造形が、非常に密接につながっている事が検証されました。最後に高良さんが御自身の詩を朗読して下さいました。[田原]

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[中・右] 図録『井戸尻 第8集』(井戸尻考古館、2006)より

絵本講座 後期ゲスト予定
9月12日|四元康祐[詩人]
10月10日|國峰照子[詩人]
11月28日|水田宗子[城西国際大学学長/女性表現研究]

※9月ゲスト講義に藤富保男氏が予定されていましたが、上記に変更になりました。