Nature of Future――環境・文化耕作ゼミ2013展覧会

March 24, 2014|展覧会

地形と植生 気象と家屋2013――歩行の美学

2月19日から22日まで、GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVEにて、「Nature of Future――環境・文化耕作ゼミ」受講生による「地形と植生 気象と家屋2013――歩行の美学」と題した展覧会が行われました。一年間の散策実習で得られた着想を元に制作された絵画、写真や雪を使ったインスタレーションが展示されました。

最終日には、講師(=北川裕二)によるレクチャーが行われ、2013年度のゼミの活動が振り返られました。ゼミで散策をはじめるきっかけとして、2011年の東日本大震災があったこと。そこから自然と都市生活者の関係を考えざるを得なくなり、当初の中心的テーマであった農業から、普段は目的地への最短距離を歩くことで見過ごしている都市の下部構造(原発などを含む)を観察する散策という行為へとテーマが移ったことが導入で語られました。そして、講師や受講生が散策実習で撮影した写真を用いながら、大地・家屋・植生・空、その四つが複雑に絡み合うことで作られる、それぞれの地域の特徴が具体的に解説されました。最後に、散策をすることの意義について「ある秩序を想定するだけでは、はみ出したものは理解できなくなってしまう。知っているつもりになっていた世界を知り作品制作のきっかけとしてほしい」と語られ、レクチャーは締めくくられました。

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レクチャー配布資料
都市の自然と政治――環境・文化耕作ゼミにおける散策実習をふり返りながら
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[PDFファイル ダウンロード]

「ムードの自然地理学に向けて」
Nature of Future――環境・文化耕作ゼミでは、都市における「自然」「環境」とは何か? 私たちを取り巻く環境は各区域でどのように成り立っているのか?というテーマのもと、毎回、さまざまな区域を散策(フィールドワーク)し、観察記録を重ねてきました。「環境」と一言でいっても、各区域の実態はきわめて複雑であり、また観察者一人ひとりのもつ「環境」へのイメージも曖昧であり、かつ観察者の心理的状態や気分のありかたによってもまったく違った様相を呈してきます。そこで、こうした環境の複雑さを理解するにあたり、私たちは環境を形成する主要素を地形、植生、気象、建築・土木の四つのカテゴリーに分け、これらがどのように他の要素と関連づけられ、「環境」としての全体を形成しているのかといった観点から観察することにしました。……
[全文は上記PDFファイルに掲載]

主な散策地域
四谷─六本木
大手町─東銀座(地下道)
早稲田─王子─押上
高幡不動─多摩動物園
中央防波堤─田町
大森─馬込
渋谷
押上─鐘淵
横浜─山手

展覧会出品者
木村豪宏
小坂友透
田中丸善一
中川周