Everybody’s Effort:イヴォンヌ・レイナーをめぐって

December 28, 2010|イベント

10月20日、旧四谷第三小学校体育館にて、「English inter-ACT」(講師=Yelena Gluzman)によるイベント「Everybody’s Effort:イヴォンヌ・レイナーをめぐって」が行なわれました。

この講座では、一年間にわたってアメリカの振付家・映像作家、イヴォンヌ・レイナー(1934-)のダンス作品と初期ポストモダン・ダンスについての研究と議論を重ね、レイナーの2作品――《コンティニアス・プロジェクト・アルタード・デイリー(毎日変更される連続プロジェクト)》(1969)と《グランド・ユニオン・ドリームズ》(1971)に焦点を当ててきました。
その最終成果発表として、およそ6時間にわたって開催されたイベントでは、受講生によるレイナー作品の解釈/触発を経由したビデオ作品やパフォーマンス、映像や写真・文献等の資料展示、そして、ダンス作品《グランド・ユニオン・ドリームズ》の再演が行なわれました。世界初となったこの再演は、出版されているレイナーの台本、初演時の記録写真、そしてレイナー本人のインタビューを用いて組み立てられ、外部のパフォーマーらの助力により実現しました。
イベントの最後にはディスカッションが行なわれ、《グランド・ユニオン・ドリームズ》再演までの経緯、その素材・要素のモジュール化によって得られるフィードバックについて、また、レイナーが1970年代より映画製作に移行した理由などが、講師、パフォーマー、観客を交えて活発に議論されました。

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《グランド・ユニオン・ドリームズ》の模様
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左|ディスカッションの模様
右|イベントにて発行されたプログラム冊子(A5版、28ページ)
イヴォンヌ・レイナーについての解説(イェレナ・グラズマン)文献リストが収められた。


■プログラム
1. ヴィデオおよび写真資料の展示
2. 受講生のプロジェクト発表:
-神村恵による《Trio A》(1966)を経由した作品
-中里有輝子による「デュエット(《Terrain》より)」(1963)を経由した作品
-鎌田明日香による《At My Body’s House》(1962)を経由した作品
-高嶋晋一による《Inner Appearances》(1972)を経由した作品
3. 《グランド・ユニオン・ドリームズ》(1971)上演
4. ディスカッション

■グランド・ユニオン・ドリームズ 出演者
*( )内は1971年初演時のパフォーマー名

Gods|神たち:
黒沢美香(Nancy Green)、足立智美(David Gordon)、中保佐和子(Barbara Lloyd)、早崎一臣(Dong)、神村恵(Trisha Brown)、印牧雅子(Yvonne Rainer)、Ben Ward-Parkins(Douglas Dunn)

Heroes|英雄たち:
Muy Gluzman(James Barth)、小宮あけ未(Epp Kotkas)、荒井珠世(Valda Setterfield)、高嶋晋一(Fernando Torm)

Mortals|死すべき者たち:
岡本拓(Jeanne Nathan)、畑まりあ(Cynthia Hedstrom)、佐々木智子(Shirley Soffer)、川原康弘(John Erdman)、尾花藍子(Pat Catterson)、下田伊吹(Carrie Oyama)、中里有輝子(Tannis Hugill)、越智雄磨(Janis Kovar)、松下勝彦(Jim Cobb)、Amber Reed(Lois Barrow)

■スタッフ
青木祐輔(舞台セット製作、記録撮影)、松下沙花(コスチューム)、印牧雅子(プログラム冊子デザイン)、中井悠(テキスト翻訳と着想)、石黒曜子(ステージ・マネージメント)、中村宙志(記録撮影)、末澤汐音、梶原あずみ(講座アシスタント、記録撮影)