批評(創造)の現在シリーズ――2 講師=池田剛介/黒瀬陽平/沢山遼

December 15, 2008|講義

11月4日、批評(創造)の現在シリーズ第2回が開催され、池田剛介(美術家)、黒瀬陽平(美術家/美術批評・アニメ評論)、沢山遼(美術批評・美術史)各氏のレクチャーに続いてディスカッションが行なわれました。

冒頭の沢山氏のレクチャーでは、ドナルド・ジャッドなどのミニマリズムの作品とブルース・ナウマンの初期彫刻が採り上げられ、空洞(空虚)の形態が引き起こす感情移入について、さらに空洞を条件付ける内側/外側の区分について検証されました。続く池田氏は、現代美術家の名和晃平の作品を、フランシス・ベーコンなどとの比較を通して、モチーフと素材の結合(物質性の消去)による視覚的イメージの抽出(隔離)であると論じました。また黒瀬氏は、コメント機能を特徴とするインターネット上の動画配信サービス「ニコニコ動画」とアニメ、「パターン・フィッシング」における魚と釣り人の関係などの事例から、消費者と創作者の相互関係についての分析を行ないました。ディスカッションでは、素材(メディウム)から不可視の形式をいかに読み解き組織するかという、三者の発表に共通する問題が主な焦点となりました。

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レクチャラー/テーマ
[写真左から]
沢山遼|空洞をめぐって――ミニマリズムとブルース・ナウマン
池田剛介|フィギュア的なものたち――フランシス・ベイコンから名和晃平へ
黒瀬陽平|オーダーが乱立する世界で、作品をつくること――
アーキテクチャとしての「ニコニコ動画」、制作の方法としての「パターン・フィッシング」

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≫関連企画 批評の現在 シンポジウム
[12月23日13:00-|東京国立近代美術館 講堂]