岡田温司|「半透明」をめぐって

October 13, 2008|講義

講座「THEORY ROUNDTABLE」の一環として、美術史家の岡田温司さんによる講義が10月4日に行なわれました。

ルネサンス的な美学にある表象の透明性と、モダニズム的な美学にあるマチエールの物質性=不透明性。そこにフォルムとアンフォルムの関係を対応させつつ、図式化された二項対立に縛られることなく脱構築する試みとして、「半透明」という概念が提起されました。
絵画の起源をめぐる神話にある、影や鏡像、痕跡などの媒介性を半透明性としたうえで、さらにアリストテレスの『デ・アニマ』やダンテの『饗宴』、『旧約聖書』のヤコブの夢やエゼキエルのヴィジョンなどから、半透明の具体性が検証されました。[秋本]

okada_0810_2.jpgokada_0810_1.jpg

※12月にもう一度講義が予定されています。