Theory Round Table 講義=林道郎[11月22日・29日]
破砕と縫合――《実験場 1950s》を巡って
《実験場 1950s》(東京国立近代美術館「美術にぶるっ!」展 Section 2)は、概説あるいは紹介を超えて、その時代の日本の視覚文化を批判的に考証した画期的な展覧会である。国家を支配的なフレームとする占領―基地―冷戦という政治的な環境の変遷とともに、脱国家的な大衆社会―高度成長―マスメディアという資本主義的な環境の変化の軸が重ねあわされ、日本という仮想の「集合的身体」が軋みをたてて分裂し重層化される様があらゆるメディアを通じて視覚化された過程が、浮彫にされている。この展覧会を素材に、幾つかの同時代の批評的言説を補助線として用いながら、諸問題を抽出する。――林道郎
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Theory Round Tableでは、林道郎氏(西洋美術史、美術批評)をお招きし、2回にわたって講義を行なっていただきます。
なお本講座は、「美術史再考――知覚の変動としての歴史あるいは知覚されたものとしての歴史」を2012年度の共通テーマとして開講されます。【Theory Round Table 開講スケジュール】
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申し込み方法
*この講座の受講生以外の方も、1コマ2,000円の受講料で聴講することができますが、会員以外の方は、別途入会手続が必要です(入会金:3,000円)。
*事務室までお電話/ファックスでまたは直接ご予約ください(定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください)。
■日時:
11月22日(木)19:00-20:30
11月29日(木)19:00-20:30
■会場:四谷アート・ステュディウム講義室 【地図】
■受講料:各2,000円
■お申し込み / お問い合わせ
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300
林道郎│はやし・みちお
1959年生まれ。西洋美術史、美術批評。上智大学国際教養学部教授。主な著書=『絵画は二度死ぬ、あるいは死なない』(全7冊、ART TRACE)、『ゲルハルト・リヒター』(共著、淡交社)、『シュルレアリスム美術を語るために』(共著、水声社)など。訳書=エミール・ディ・アントニオ+ミッチ・タックマン『現代美術は語る――ニューヨーク・1940-1970』(青土社)など。