これからの芸術、これまでの芸術――2 内藤廣/岡﨑乾二郎[9月13日]
特別公開講座「これからの芸術、これまでの芸術」シリーズ第2回として、内藤廣氏(建築家、吉阪隆正賞選考委員会委員長)をゲストにお招きして、以下のテーマで岡﨑乾二郎(本校ディレクター)とのダイアローグを行ないます。
※四谷アート・ステュディウム会員以外の方も受講することができますので、奮ってご参加ください。
個物から、可能な世界を引き出す。
吉阪隆正賞は狭く〈建築〉とよばれるものにのみ与えられる賞ではない。対象となるのは広く〈デザイン行為〉である。〈デザイン行為〉とは何なのか。
〈デザイン行為〉には、当然〈行為のデザイン〉、さらに〈デザインとは何か、を再定義する行為〉も含まれよう。前者であれ後者であれ、当然、行為を律するものとして、世界を捉え対峙し、あるべき世界として組み立てなおす、哲学そして倫理が要請されることにもなる。建築の成り立ちを含めて、すでにある世界に参加すること、新しい事物を加えることは、すでにある何かに介入し変化を起こし、不可避的に衝突、葛藤を引き起こすことでもある。あるいはこうして、すでに起こっている変化、衝突を引き受け、それに応えることでもある。
事物と事物を結びつけようとし、ときには切り分けてしまう線=時間と空間を分節するそんな線をすり抜け(のり超え)、そこからむしろ空間時間を持続、延長させる力ともなる線=力線をいかに引きだすか。つまり生をどう取り出すか。
建築家内藤廣さんは、幾度も(いまだ)崩壊してきた建築から個々の具体的事物を救い出し、そんな個物から可能な世界、世界をあらたに組成=蘇生させる力線をひきだしてきた。内藤廣さんを招き、そんな奇跡のような実践(デザイン行為)を可能にする術=デザイン行為の核心をとらえる、ありうべき線を、縦横無尽に語っていただく。――岡﨑乾二郎
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お申し込み方法
*本校の会員以外の方も2,000円の受講料で聴講することができます。事務室までお電話/ファックスでご予約ください。会員の方に限り、メール申し込みも受け付けます。
*早々に定員に達することが予想されます。定員に達し次第受付を締め切りますので、お早めにお申し込みください。
■日時:2012年9月13日(木)19:00-21:00
■会場:四谷アート・ステュディウム講義室 【地図】
■受講料:2,000円
■問い合わせ/申し込み先
近畿大学国際人文科学研究所 東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300
内藤廣|ないとう・ひろし
1950年生まれ。1976年早稲田大学大学院修士課程修了。フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所(スペイン・マドリッド)、菊竹清訓建築設計事務所を経て、1981年内藤廣建築設計事務所を設立。2001年から東京大学大学院教授、副学長を歴任後、2011年に退官。2007-09年度には、グッドデザイン賞審査委員長を務める。主な建築作品に、海の博物館(1992)、安曇野ちひろ美術館(1997)、牧野富太郎記念館(1999)、島根県芸術文化センター(2005)、日向市駅(2008)、虎屋京都店(2009)、旭川駅(2011)など。また近著には、『内藤廣と若者たち 人生をめぐる一八の対話』(東京大学景観研究室編、鹿島出版会)などがある。http://www.naitoaa.co.jp
岡﨑乾二郎│おかざき・けんじろう
1955年生まれ。造形作家。近畿大学国際人文科学研究所教授。主な作品=《あかさかみつけ》《灰塚アースワークプロジェクト》《回想のヴィトゲンシュタイン》《Random Accident Memory》《I love my robots》(Trisha Brownとの共作)など。主な著書=『ルネサンス 経験の条件』(筑摩書房)、『れろれろくん』(ぱくきょんみとの共著、小学館)、『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』(谷川俊太郎との共著、クレヨンハウス)、『絵画の準備を!』(松浦寿夫との共著、朝日出版社)、『芸術の設計』(フィルムアート社)など。http://kenjirookazaki.com/
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これからの芸術、これまでの芸術 シリーズ
- プレ・セッション|
石川卓磨/上村卓大/蔵屋美香/沢山遼/渡辺泰子/山本良浩
- 第1回|宮本隆司/林道郎
※本シリーズは、通年で全5回を予定する特別公開講座(不定期開講)です。各回の詳細や受講方法については、決定次第WEBサイト、Twitter等でお知らせします。