Theory Round Table 講義=田中正之[11月24日]

November 6, 2010|講義

Theory Round Tableでは、田中正之氏(西洋近現代美術史)をお招きして、以下のテーマで講義を行なっていただきます。
なお本講座は「制作とプレゼンテーション」を通年の共通テーマとして開講されます。

自己を示す:〈自画像〉か〈自伝〉か

「制作とプレゼンテーション」という年間テーマに即していえば、今回は、作者自身をどう提示するかということに焦点を当てようと思う。その出発点としたいのは、ロバート・ラウシェンバーグが1968年に制作したリトグラフによるトリプティック《自伝》である。この作品が《自画像》ではなく《自伝》と題されていることを瑣末的なこととは扱わずに十分注意を払いたいのだが、それは1970年頃から文学研究においてフィリップ・ルジュンヌやミシェル・ボージュルらが、ある種の自分自身に関する語りのテクストを「自伝」と呼ばずに敢えて「自画像」と呼んでいることを念頭におけば、この交差的な語彙の交換が、自身を提示することに対する何らかの認識上の変化がこの時期に起こったと十分に予感させるからである。このあたりのことを、身体や記憶の問題と絡ませながら、すこし探ってみたいと思う。


申し込み方法
*講座受講生以外の方も、1コマ2,000円の受講料で聴講することができます。
*事務室までお電話/ファックスでまたは直接ご予約ください(定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください)。

■日時:2010年11月24日(水)18:30-20:00
■会場:四谷アート・ステュディウム講義室
■受講料:2,000円
■お申し込み / お問い合わせ
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300


田中正之たなか・まさゆき
1963年生まれ。西洋近現代美術史。武蔵野美術大学教授。国立西洋美術館主任研究員(1996-2007年)を経て現職。展覧会として、00年「ピカソ:子供の世界」、04年「マティス」展、07年「ムンク」展などを組織。主な論文=「マン・レイにおける女性の目の表現と『不気味なもの』」『美学』第50巻第3号(美学会)、「アリアドネー・ポーズとウォルプタス」『西洋美術研究』No.5(三元社)など。

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