ことばのPicture Books講座 ゲスト講義=佐川亜紀[11月26日]
ことばのpicture books講座 母なるもの篇(講師=ぱくきょんみ)では、11月26日(金)ゲスト講義に、佐川亜紀氏(詩人)をお招きします。
講義テーマ
韓国女性詩の現在――母性神話を超えて
日本による植民地支配、解放後の朝鮮戦争と分断の時代、苦難の歴史を歩んできた朝鮮では、「母」は民族の母胎でした。在日の思想家・姜尚中氏の小説『母―オモニ―』のように男性にとってオモニは特別な思慕の対象となっています。しかし、一方で、朝鮮の女性詩人たちは、男性しか創作が認められない社会で不遇な地位に置かれていました。昨今、ドラマ・映画で取り上げられた中世の黄真伊(ファン・ジニ)や許蘭雪軒(ホ・ナンソロン)は昔あまり評価されませんでした。けれども、彼女たちの作品は「母」を超えた女性の奔放な想像力や人間としての悲しみにより今でも文学作品として生きています。最近の韓国女性詩人たちの詩は、ポストモダン詩と民俗祭祀が出会う、言葉の先端と起源が交わる場にもなっています。70年代生まれ、60年代生まれの女性詩人たちの詩を読みながら韓国女性詩人の「母」に対する意識の変容や表現の特質を見て行きたいと思います。
――佐川亜紀
申し込み方法
*会員以外の方も、2,000円の受講料で聴講することができます。
*事務室までお電話/ファックスで、または直接ご予約ください。
(定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください)
■日時:11月26日(金)20:00-21:30
■会場:四谷アート・ステュディウム講義室
■受講料:2,000円
■お申し込み/お問い合わせ:
近畿大学国際人文科学研究所 東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300
佐川亜紀|さがわ・あき
1954年生まれ。詩人。月刊詩誌『詩と思想』編集委員。横浜国立大学卒業。84年詩誌『詩学』の新人推薦を受け登壇。2002年から韓国詩誌『詩評』企画委員。日本現代詩人会理事。横浜詩人会・社会文学会所属。主な著書=『死者を再び孕む夢』(小熊秀雄賞・横浜詩人会賞受賞、詩学社)、『魂のダイバー』(潮流出版社)、『韓国現代詩小論集』『返信』(「詩と創造」賞受賞、以上、土曜美術社出版販売)、『在日コリアン詩選集』(森田進氏と共編、地球賞受賞)、『近づく湧泉』(共著、土曜美術社出版販売)、『日韓「異文化交流」ウォッチング』(共著、社会評論社)など。