[9月13日開講]足立智美のMusique Non Stopゼミ 受講生募集

June 25, 2010|

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9月13日から11月15日まで、国際的に活躍する音楽家、足立智美さんの本校で2年目となるワークショップ「ミュージック・ノン・ストップ・ゼミ」が開催されます。

ジョン・ケージの音楽は、その奇妙な楽譜を読み解き、実際に演奏してみることで、コンサートを観たりCDを聴いたりするだけではわからない発見を私たちにもたらしてくれます。彼の音楽を理論、実践の両面から学べる機会は日本ではほとんどないと言っても過言ではありません。音楽家のみならず、20世紀後半のすべての芸術家に影響を与えたケージの仕事を知ることができる貴重な機会です。
また、足立さんの作品を併せて演奏することで、ケージの仕事の現代的な意味を理解することができるでしょう。


足立智美のMusique Non Stopゼミ

音はいつ音楽になるのか。その方法が分かれば、音はなくとも音楽は作れる。音楽の外から音楽の本質を突き抜けて、再び音楽の外に出るために。

音楽の成立に不可欠と考えられている技術のほとんどは必要ない。
いくつかの古い技術、いくらかの新しい技術。手持ちのものを組み合わせて、いままでなかったものに作り直す。

恥じらうことは大事な客観化である。声をあげることは恥ずかしい。恥を「耳の心」と読んだのはパイクだったか。声を耳の心で受け止める。自分の心=息だけではまだ足りない。息と恥のすれ違いが音楽を生む。

ケージは音を解放したと言われる。では解放された音は皆どこに行ったのか。

――足立智美

■開講日:隔週月曜日 9/13, 9/27, 10/4, 10/18, 11/1, 11/15(全6日)
■時間:18:30-21:30
■受講料/単位:24,000円*/3単位(全12コマ)**
* 表記の受講料は割引を考慮していません。通年で複数履修する場合はコースごとの割引制度があります。詳細は、「講座受講方法と受講料」をご覧ください。
** 1コマ=1時間30分、1単位=4コマ

過去にあった音楽から未来のためのコンセプトを抽出し、今はまだない技術を身体の反復によって獲得する。20世紀の音楽の実験を参照しつつ、音楽の外へと向かう音楽のための思考を見いだすこと。制度的に保証されてしまった技術を括弧に入れ、さまざまな声と、あらゆる物体を楽器に転化する方法を開拓すること。響きを音楽にするにはどうすればよいのか? 音がなくても音楽がつくれるのか? 音楽以外のコンセプトをもって音楽をうみだすことができるのか? 技術とは何なのか? これらの問題を頭と体を使って考えていきたい。最終的にはジョン・ケージの《ヴァリエーションズ》シリーズ及び、オリジナルのパフォーマンス作品の上演をおこなう。既存の音楽の技術や知識は必要ないが、時には人前でくだらないことをする必要もあるので、シャイな人は要努力。ゲストによるパフォーマンスも予定。

関連動画
Oyone, ADACHI Tomomi, Yotsuya Art Studium 2009

Romeo (Yumiko), ADACHI Tomomi, Teatro Comandini, Cesena, Italy 1997/2008
http://www.youtube.com/watch?v=PpXsmhYPr2U
Amacha, ADACHI Tomomi, Tate Modern 2010
http://www.youtube.com/watch?v=-KX7jqNKTbE

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Musique Non Stopゼミ演奏《OYONE》が英CRiSAP発のCDに収録

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電子工作/電子音楽 夏季集中講座[終了しました]

この講座は、現在の電子音楽製作のプラットフォームである、コンピュータの存在をあえて無視し、半田ごてを握ってオリジナルの回路を造り、オリジナルのコンセプトと音響を作り出すためのワークショップです。オームの法則も忘れてしまったような、素人を対象としています。デジタルではなくアナログベース、肉体派です。音楽をメインにしていますが、視覚芸術にも応用できるでしょう。

キーワード
100円コンタクトマイクで森羅万象の音を聴く/空中に漂う音を拾う/
ノイズマシーンを作る/できてたら壊す/
貧乏でも電子音楽/光を音に、音を光に/出力に入力/ダンスで音楽/
19世紀のテクノロジーで電子音楽ができるか?/
体に電気をちょっと流してみたり/チュードアの音ってどうなってるの?

■カリキュラム:

第1日|手作り電子音楽の歴史。デモンストレーション。ガイダンス。
ジョン・ケージ、デヴィッド・チュードア、ミシェル・ヴァイスヴィッツらによる手作り電子音楽の歴史を振り返り、基本的な発想を習得する。現在このジャンルで起こっていることを視聴、及び足立智美のオリジナル楽器、トモミン、トモリンや、コンタクトマイク、電磁ピックアップ、エフェクター、フィードバックのデモンストレーション。
必要工具、参考図書などのガイダンスも最後におこないます。その後、希望者と秋葉原ツアーあり。

第2-4日|自作電子楽器
半田ごてとブレッドボードで以下を実習します。
コンタクトマイクの製作/発振器の製作/発振器の狂わせ方
光センサーの使い方/各種センサーの自作

■日時:
8月8日(日)13:00-16:00(終了後、希望者と秋葉原ツアー)
8月9日(月)18:30-21:30
8月10日(火)18:30-21:30
8月11日(水)18:30-21:30

■受講料:
各日2コマ×4日=全8コマ[2単位]…………16,000円+材料費

1,500-2,000円の材料費が別途かかります。材料費は実習に使う、IC、各種電子部品、ブレッドボード、配線材、電池、センサーなどの代金です。これらは持ち帰りできます。第2-4日には基本的な工具(半田ごて、ニッパーなど)を持参して下さい。詳しくは申し込み後連絡します。安く上げようとすれば2,000円くらいですむでしょう。第1日目にもガイダンスをします。

■定員:20名

■会場:四谷アート・ステュディウム講義室【地図】

■お申し込み/お問い合わせ:
近畿大学国際人文科学研究所 東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300
※定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください。

足立智美あだち・ともみ
1972年生まれ。パフォーマー/作曲家。声、コンピュータ、自作楽器を用いたソロ演奏や音響詩、ビデオ、キネティック・インスタレーション、ダンサーとのコラボレーションなど、幅広い活躍で注目される。主なCD=『ときめきのゆいぶつろん』(naya records)、『足立智美ロイヤル合唱団/Yo』(Tzadik)、『記号説/う・む――高橋悠治による北園克衛と足立智美による新國誠一』(水牛)など。
http://www.adachitomomi.com