MOTコレクション特集展示 岡﨑乾二郎

November 2, 2009|お知らせ

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東京都現代美術館がその収蔵品を核として、戦後から現在に至る現代美術の動向を紹介する「MOTコレクション」にて、岡﨑乾二郎の特集展示が行なわれています。 

岡﨑乾二郎(1955-)は、1980年代初頭から現在に至るまで、絵画や彫刻のみならず、建築、ランドスケープデザイン、映画、絵本、舞台美術、衣裳デザインと、多角的な制作活動を展開してきた造形作家です。また、精緻な評論や教育活動によって、後続の世代にも大きな影響を与えてきました。今回の展示では、当館がこのたび収蔵いたしました岡﨑作品をはじめて紹介するとともに、この機会に、これらの作品を核として、作家および所蔵者各位のご協力を仰ぎ、近作・旧作を交えた展示を開催することといたしました。80年代以降の日本の現代美術史において、最も注目すべき活動を続けてきた作家のひとりとして、その多岐にわたる活動のより充実した展観の場をめざします。

岡﨑乾二郎の作品は、モダニズムの内包する可能性を解放し、芸術の自律性という命題にすぐれた回答を与えると同時に、生活のすみずみで想起されうるような、あるいは私たちを取り巻くさまざまな状況を代入することができるような、開かれた性質を持っています。絵画のタッチを追い、レリーフの稜線を辿るささやかな経験をつみかさねるうちに、私たちは、ふいにそれらを束ね、統合するような秩序に出会います。それはあらかじめ存在するものではなく、例えば動物たちの生態系のように、異なる自律した世界の連鎖によって織り上げられ、そのつど更新されるような、多層的な秩序です。岡﨑の作品は、世界をそうした複雑な豊かさを持つものとして、私たちに取り戻させてくれるような啓示に満ちています。

空間の隠れた秩序に基づいて配置された各部屋には、「あかさかみつけ」をはじめとする80年代のレリーフ作品から、現在も展開し続ける絵画作品、近作の「ゼロサムネイル」シリーズ約60点など、代表的なシリーズ作品が展示されます。これに加えて、近年手がけた建築模型や、転機ともいえる80年代末の大型立体作品、洋服の型紙を用いたドローイングのインスタレーションなどにより、その活動の多角性と一貫性が同時に伝えられる空間を展開します。

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出品作品|岡﨑乾二郎《Yellow Slope》《Blue Slope》
(ゲント現代美術館での展示風景)
1989 千葉市美術館蔵

■会期:
前期|2009年10月31日(土)- 2010年1月24日(日)
後期|2010年1月26日(火)- 2010年4月11日(日)

■開館時間:10:00-18:00(入館は17:30まで)

■休館日:月曜日、11月24日、12月28日-1月1日、1月12日、3月23日
(ただし11月23日、1月11日、3月22日は開館)

■会場:東京都現代美術館 常設展示室
1階「特集展示 岡﨑乾二郎」「『アメリカの絵画』1950s・1960s」
3階「クロニクル1945, 1951, 1957――戦後日本美術を見直す」

■観覧料:
一般 ¥500、学生 ¥400、高校生・65歳以上 ¥250
中学生以下無料
*20名以上の団体は2割引き
*企画展のチケットでご覧いただけます

■主催:東京都/東京都現代美術館

■お問合せ:03-5245-4111(代表)/03-5777-8600(ハローダイヤル)

【美術館Webサイト】


[関連イベント]

岡﨑乾二郎 アーティスト・トーク
■日時:2009年12月19日(土)15:00-17:00(14:30開場)
■会場:東京都現代美術館 B2F 講堂
■入場無料

岡﨑乾二郎《回想のヴィトゲンシュタイン》(1988)上映会
■日時:2009年11月14日(土)、12月20日(日)、2010年1月10日(日)
各回14:00-(上映時間約1時間)
■会場:東京都現代美術館 B2F 講堂
■入場無料
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