Yotsuya Art Studium NEWS

アヴァンギャルドのための絵本講座 旅する人篇（講師＝ぱくきょんみ）では、作家・翻訳家の戸田郁子氏をお招きして、以下のテーマで講義を行なっていただきます。

狭間に生きる者たち――コリアン・ディアスポラと私

私が韓国に留学した1980年代前半、アメリカに移民する人々が幾人もいた。
日本人の私が考える「移民」とは、戦争時代のブラジル移民、アメリカ移民、そして満州開拓団。貧しく閉塞した時代に、新天地を求めた人々が移民であり、それは戦争の時代の昔話と思っていた。しかし韓国では、現在進行形で移民が続いている。かつては、軍事独裁政権に反対して国を捨てていく人もいた。最近では、経済移民、教育移民も。
世界中に、朝鮮半島を離れた移民たち、すなわち「コリアン・ディアスポラ」がいる。私にとって最も身近な存在は、日本に定着した在日コリアンと、中国に渡った朝鮮族。どちらも戦争の時代に移動した数が最も多かったが、移住の背景は異なり、その後の定着の歩みや、置かれている環境も異なる。
中国朝鮮族の移住と定着の歴史について、古い記念写真を見ながらふり返り、狭間に生きる者たちの暮らしや生き方に思いを馳せてみよう。日本人にとって朝鮮族は、自分とは関係のない遠い存在なのではなく、私たちと地続きの歴史の上に生きている人々であることを考えていきたい。
――戸田郁子

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申し込み方法
＊受講生以外の方も、2,000円の受講料で聴講することができます。
＊事務室までお電話／ファックスで、または直接ご予約ください
（定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください）。

■日時 ： 2009年11月20日（金）
1時間目｜戸田郁子｜18:30－20:00
2時間目｜ぱくきょんみ｜20:00－21:30
■会場 ： 四谷アート・ステュディウム講義室
■受講料 ： 2,000円
■お申し込み／お問い合わせ
近畿大学国際人文科学研究所 東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160－0004 東京都新宿区四谷1－5 2F
tel. 03－3351－0591（9:30－17:00、日曜・祭日 休）
fax. 03－3353－7300

戸田郁子｜とだ・いくこ
1959年生まれ。作家、翻訳家。会社勤務を経て、83年より韓国の延世大学韓国語学堂に留学。85年より2年間、高麗大学史学科にて韓国近代史を学ぶ。その後、中国黒竜江省ハルビンに語学留学し、延辺朝鮮族自治州を中心に中国東北地方の朝鮮族の移住と定着の歴史を取材している。著書＝ 『ふだん着のソウル案内』（晶文社）、 『チョルムニ――韓国の若者たち』（早川書房）、 『ソウルは今日も快晴』（講談社文庫）、 『手の大きいお嫁さん――私の韓国語小辞典』（アートン）。訳書＝李賢世 『弓』（晶文社）、黄美那 『李さんちの物語』（講談社）など多数。

今後のゲスト講義…………
12月11日（金）18:30－｜朴裕河（パク・ユハ）［批評家・近代日本文学・批評史］