ことばのpicture books講座 ゲスト講義=前嵩西一馬[10月15日]

September 17, 2013|講義

「ことばのpicture books講座 Lost Modern Girls編」(講師=ぱくきょんみ)では、ゲストに前嵩西一馬氏(文化人類学・沖縄研究)をお招きして、以下のテーマで公開レクチャーを行なっていただきます。

「モダンガール」のMemoirist(回顧録者)は誰か?

若者に絶大な人気を誇る歌手Sをフェミニズムの成果として褒めそやす教授Uの芸能オンチぶりは目も当てられない、Sのジェンダーの質(たち)は殿方にとって恐くもなんともないし、むしろ手込めにされる(そこまでは言ってないか)と、かつてフェミニストOの啖呵は切れが良かった。その後Sの恋愛遍歴が詳らかになり、Oの批評の鋭さは妙な説得力を帯びる。しかしこの手の批評性も、作家Nの地を這う身体をもってアカデミックな空を飛ぶ優雅な言葉たちとして仰ぎ見られてしまう。

本レクチャーの標準高度はOベース、さらなる虫の目からの批判は承知のうえで、学術空域における反則技アクロバティック・ターンを舞いつつ、戦間期と現在、日本と沖縄の間でオスプレイの訓練よろしく思わぬところに「着地」します。植民地的近代そのものの問題とそれを現在からみつめる欲望の両方を同時に撃つ視野と、迎撃されるリアルさを、皆様と共に探してみたいと思います。

申し込み方法
*会員以外の方も、1コマ2,000円の受講料で聴講することができます。
*事務室までお電話またはファックスでご予約ください。会員の方に限り、メール予約も受け付けます(定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください)。

■日時:2013年10月15日(火)20:00-21:30
■会場:四谷アート・ステュディウム講義室 【地図】
■受講料:2,000円

■お申し込み / お問い合わせ
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300


前嵩西一馬まえたけにし・かずま
1971年生まれ。コロンビア大学人類学部博士課程修了。文化人類学・沖縄研究。現在、早稲田大学琉球・沖縄研究所客員講師、早稲田大学、明治大学、日本大学にて兼任講師を務める。主な著書・論文=『沖縄学入門――空腹の作法』(勝方=稲福恵子と共編著、昭和堂)、「沖縄で探す「鞘」の言葉——「高度必需品」としての蝶柄、笑い、生物群」『思想』1037号(岩波書店)など。

ことばのpicture books講座 Lost Modern Girls編講座案内>>
今年度は、1920年代以降のモダニズム文化の系譜をたどる「モダン・ガール」論再考。
「彼女たち」はいかにして世界を獲得し、失ったのだろうか。


今後のゲスト講義スケジュール
10月29日(火)|佐藤泉(青山学院大学文学部日本文学科教授)
11月12日(火)|柴田元幸(アメリカ文学研究者、翻訳家、小説家)
11月26日(火)|國吉和子(舞踊研究・評論)|もうひとつの近代舞踊―フォックストロットを踊る芸者達
12月10日(火)|ヤリタミサコ(詩人)|アメリカ現代詩の女性詩から
※時間はいずれも20:00-21:30、申込み受付中。