『中国朝鮮族を生きる 旧満洲の記憶』刊行

June 29, 2011|お知らせ

2009年度ことばのpicture booksゲスト講師、戸田郁子さんの新刊です。
戸田さんは、日本人として、韓国語を学び、朝鮮半島の歴史を研究し、中国朝鮮族の過去・現在をみずからの足でドキュメントしてきました。
この長い旅を噛みしめる戸田さんのメッセージを読むとともに、深く思いを馳せて、心に留めていただければ幸いです。
——ぱくきょんみ

『中国朝鮮族を生きる 旧満洲の記憶』
戸田郁子著

発行:岩波書店
定価:2,625円(税込)
発売:2011年6月24日

ISBN:978-4000238700
四六判・上製・224頁

内容
人口200万人弱、中国に少数民族として存在する朝鮮族。旧満洲の地に根をおろした歴史には、日本の植民地支配が深く関わっている。「祖国」とは異なる自らの居場所を生きる人生。そこに自らの生き方も重ねる著者が、出会い、時を共有してきた魅力的な人々の目を通して、忘れられゆく過去を掘り起こし、変わりゆく現在の様相を紹介する。

ご無沙汰しております。韓国の戸田郁子です。
長い長い時間をかけて、ようやく一冊の本をまとめ上げました。
『中国朝鮮族を生きる 旧満洲の記憶』(岩波書店)というタイトルです。
今、東京から届いた出来たての本を胸に抱いて、涙がこぼれそうな私です。
この本の中には、たくさんの人の人生があります。
運命とは、時代とは、そして生きるとはどういうことか。
辛いことのない人生などこの世には一つもなく、
それでも人は望みを失わず生きていくのだということを、
私はここに登場した人々から学ばされました。
ずっしりと重たい本になりました。
それは、日本人として生まれた私に科された重さでもあります。
拙著の中にぎっしりと詰まった歴史の重みを、
どうか皆様にも共有していただきたいと願っております。
この時代を、共に生きる仲間として。  

2011年6月28日
戸田郁子

■著者連絡先
tohyang(a)gmail.com[(a)を@に変えてください]
私書箱:P.O.Box No.3, Gunpo Post Office, 435-600, KOREA

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