ことばのPicture Books講座 ゲスト講義=池内靖子、管啓次郎
「ことばのPicture Books講座」より、二つのゲスト講義(公開講座)のお知らせです。
後期ゲスト
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10月1日(金)午後8時より
ゲスト講義に
演劇論/ジェンダー論において、常に現代の問題意識を打ち出す
池内靖子先生をお招きします。
講義テーマ
「母性」の解体と再構築:シェイクスピアから現代演劇まで
講師からのコメント
古典のギリシャ悲劇はいうまでもなく、近代ルネッサンス期のシェイクスピア劇も、父・母・息子の三角関係を原型とし、父・息子、父・娘関係や、母・息子関係に焦点を当てているが、母・娘の葛藤に満ちた関係は十分に掘り下げていない。アングラ演劇の旗手寺山修司は、日本近代家族の家父長制を近代国民国家の権力関係と関連させて批判的に捉え、弟子の岸田理生は、寺山の近代家族批判を共有しつつ、母・娘関係に焦点を当てた。
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10月22日(金)午後8時より
ゲスト講義に
現代文学の深淵に佇みながら、翻訳、比較文学のみならず、詩人として世界を彷徨する
管啓次郎先生をお招きします。
講義テーマ
母、オバ、祖母 力の継承について
講師からのコメント
ぼく自身が翻訳してきた文学作品、カリブ海のジャメイカ・キンケイドとユダヤ系アメリカのエイミー・ベンダーの短編から、<母>が主題となるものを読んで考えてみます。それに他の小説家たちの視覚を加えてゆこうと思います。母、不在の母、母の代わりとなるオバ的存在、あるいは隔たりを置いて何かをしめしてくれる祖母。そうした関係の中で、どんな線が延長されてゆくのか。現代日本文学にもふれたいとは思うのですが、どうなるかはまだわかりません。
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11月26日(金)ゲスト講義……佐川亜紀先生
申し込み方法
*受講生以外の方も、2,000円の受講料で聴講することができます。
*事務室までお電話/ファックスで、または直接ご予約ください
(定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください)。
■日時 :
10月1日(金)20:00-21:30|池内靖子先生
10月22日(金)20:00-21:30|管啓次郎先生
■会場 : 四谷アート・ステュディウム講義室
■受講料 : 各2,000円
■お申し込み/お問い合わせ
近畿大学国際人文科学研究所 東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30-17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300
池内靖子|いけうち・やすこ
立命館大学産業社会学部教授。演劇論、ジェンダー論、英語の科目を担当している。著書=『フェミニズムと現代演劇』(田畑書店)、『女優の誕生と終焉――パフォーマンスとジェンダー』(平凡社)。論文=「彼女の語りと身体――琴仙姫の映像作品をめぐって」『残傷の音』李静和編(岩波書店)。共編著=『異郷の身体』(人文書院)。翻訳=テレサ・ ハッキョン・チャ『ディクテ』(青土社)。
管啓次郎|すが・けいじろう
翻訳と作文。明治大学大学院理工学研究科ディジタルコンテンツ系では「コンテンツ批評」と「映像文化論」を担当。著書=『コロンブスの犬』(弘文堂)、『狼が連れだって走る月』(筑摩書房)、『コヨーテ読書』(青土社)、『オムニフォン』(岩波書店)、『本は読めないものだから心配するな』(左右社)など。主な翻訳=グリッサン『〈関係〉の詩学』(インスクリプト)、コンデ『生命の樹』(平凡社)、アジェンデ『パウラ』(国書刊行会)、ベンダー『燃えるスカートの少女』(角川文庫)など。
※ことばのPicture Books講座では、11月26日に佐川亜紀先生(詩人)のゲスト講義「韓国女性詩の現在――母性神話を超えて」を行ないます。