批評(創造)の現在シリーズ――2 講師=濱野智史/岡﨑乾二郎
極薄な環境世界
Inframince/environment
インフラとは無意識である。いやむしろフロイトの考えた無意識こそが(都市の基盤構造としての)インフラをモデルにしていたという方がより正確である。インフラはいうまでもなく人為的な制作物であるが、そこに時間的階層性が組み込まれているために、すべてを透視することはできない。つまり不可逆的な順序構造として、それは与えられている。所与として与えられた、この順序構造は、その内部において(操作において)決して(もちろん)線的ではなく、シャッフルも転倒も可能であるが、一方でこの構造自体を消去することは決してできない。可視化できない不可逆過程とはこの消去不可能性にある。ここにこそ歴史とよばれるorder=順序構造の本質がある。その意味で歴史はインフラであり、インフラは力であり、命令である。
この講座[*]は連続講座です。
ピックアップ受講(単独聴講)は本校受講生、会員にかぎり可能です。
シリーズ受講の詳細は以下をご覧ください。
*岡﨑乾二郎対談/批評(創造)の現在シリーズの詳細
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申し込み方法
*本校受講生、会員にかぎり2,000円の受講料で聴講することができます。
*事務室までお電話/ファックスでまたは直接ご予約ください(定員に達し次第受付を締め切りますのでお早めにお申し込みください)。
■日時:7月25日(土)18:30-21:30
■会場:四谷アート・ステュディウム講義室
■受講料:2,000円
■お申し込み/お問い合わせ:
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel. 03-3351-0591(9:30−17:00、日曜・祭日 休)
fax. 03-3353-7300
濱野智史|はまの・さとし
1980年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科修士課程修了。国際大学グローバル・コミュニケーション・センター研究員を経て、現在、株式会社日本技芸にてリサーチャーを勤める。専門は情報社会論。特にウェブサービスのアーキテクチャ分析を中心的に手がける。著書=『アーキテクチャの生態系』(NTT出版)。主な論文=「ニコニコ動画の生成力」『思想地図』Vol.2(NHK出版)、「月はまた昇る――ニコニコ動画における「コメントアート」とその「保守主義」をめぐって」『Review House』02(Review House編集部)など。
岡﨑乾二郎|おかざき・けんじろう
1955年生まれ。造形作家。四谷アート・ステュディム ディレクター。近畿大学国際人文科学研究所教授。主な作品=《あかさかみつけ》《灰塚アースワークプロジェクト》《回想のヴィトゲンシュタイン》《Random Accident Memory》《I love my robots》(Trisha Brownとの共作)など。主な著書=『ルネサンス 経験の条件』(筑摩書房)、『れろれろくん』(ぱくきょんみとの共著、小学館)、『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』(谷川俊太郎との共著、クレヨンハウス)、『絵画の準備を!』(松浦寿夫との共著、朝日出版社)、『芸術の設計』(フィルムアート社)など。http://kenjirookazaki.com/