絵本講座 ゲスト講義=岸田衿子

November 29, 2007|講義

「アヴァンギャルドのための絵本講座 ことばのPicture Books編」もいよいよ今年度最後のゲスト講義となりました。詩人であり、絵本作家の岸田衿子さんをお迎えいたします。
時代を越えて、ひとのこころに温もりを与え、そして感動をつなげていく作品を紡ぎ出すひとが皆そうであるように、岸田さんもたくさんのポケットを持っていらっしゃいます。詩を愛するものたちのために、ことばや音声のリズムが広げる風景を観察するっておもしろい――そんなポケットからお話を出していただこうと思っています。
フランスの作家ドーデーの『風車小屋だより』から短篇を翻訳絵本にまとめられた名作『スガンさんのやぎ』(初版1966年)のあとがきでふれた一節もまた、岸田さんの絵本づくりの大切な鍵を示しています。ここに引用します。
「ドーデーは、『そうです、やぎは山へいきたかったのです。だから、おおかみにたべられました。おおかみは、やぎをたべるのが、あたりまえなんですよ』と、おしえてくれます。世の中には、あぶないところでやぎが助かる話のほうが多いかもしれません。でも、こうした自然のやくそくを、たんたんとおしえてくれるのが、この話です。こどもたちは、いつのまにか、このような物語によって、いきもののこと、大地のことを、おぼえていくでしょう。」
   ぱくきょんみ

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申し込み方法
*「アヴァンギャルドのための絵本講座」受講生以外の方も、
2,000円の受講料で聴講することができます。
*受講ご希望の方は、事務室までお電話/ファックスでまたは直接お申し込みください
(定員に達し次第受付を締め切ります)。

■日時 : 2007年12月7日(金)18:15-19:45
■会場 : 四谷アート・ステュディウム講義室
■受講料 : 2,000円
■申し込み / 問い合わせ先 :
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel.03-3351-0591
fax.03-3353-7300
(9:30-17:00、日曜・祭日 休)

岸田衿子[きしだ・えりこ]
詩人、絵本作家。1929年東京生まれ。東京芸術大学油絵科卒業。『かえってきたきつね』で産経児童文化賞の大賞を受賞。
詩集に、『忘れた秋』(書肆ユリイカ)、『ソナチネの木』(青土社)、『いそがなくてもいいんだよ』(童話屋)。
子どもに向けた詩集に『へんなかくれんぼ』『木いちごつみ』『かぞえうたのほん』(以上、福音館書店)、『どうぶつ はいくあそび』『どうぶつ はやくち あいうえお』(以上、のら書店)ほか。
絵本に、『かばくん』『ジオジオのかんむり』(福音館書店)、『ジオジオのたんじょうび』(あかね書房)、『かえってきたきつね』(講談社、以上すべて中谷千代子=絵)、『森のはるなつあきふゆ――オシギッパのもりでみつけた』(ポプラ社)、『きいちごだより』(福音館書店)、翻訳絵本にドーデー作『スガンさんのやぎ』(偕成社)ほか多数。
エッセイ集に、『風にいろをつけたひとだれ』『草色の切符を買って』(以上、青土社)、『ブルーベリーを摘んだ日々』(岸田今日子との共著、徳間書店 のちに『ふたりの山小舎だより』として文春文庫)など。
テレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』『あらいぐまラスカル』などの作詞も手がける。