絵本講座 ゲスト講義=藤井貞和

October 27, 2007|講義

「アヴァンギャルドのための絵本講座 ことばのPicture Books編」第3回目のゲストとして、詩人、藤井貞和さんをお招きします。
今年のアヴァンギャルドのための絵本講座は、前期に20世紀モダニズムの詩の系譜として、T. S. エリオットと西脇順三郎の中期作品を取り上げました。第一次世界大戦から第二次世界大戦のあいだの歴史背景についても鑑みつつ、詩をとおしての表現をかんがえてきました。詩が、世界と「わたし」の通路にあることを探りつつ、「声に出して読まれる」、あるいは「歌われる」ときの詩のちからの行方をも見届けたいと思いました。
藤井さんの詩/そして詩論の活動にあるパースペクティヴな視界は、わたしたちの軋み歪んだ現実をつねに照らしつつ、ことばが絡み、ことばが言霊として生成/再生する、まさに詩の現在形をあきらかにしています。
『詩的分析』(書肆山田)も上梓されたばかりです。
「“隠された真実”を知りたいという、欲望と、世界を切り裂いたあとからの“詩のことば”を現代に、言語として取りだしたいという、欲望とは、今日の詩の書き手にとってのこされてある、さいごの憑き物かもしれない。...(中略)...
真には“詩のことば”なんか存在しないかもしれないのだ。あるのは言語の体験であり、容認できるのは構造と出来事との総体にのしかかる、憑き物であったかもしれないのだ。そして現在にもその体験がありつづけると信じよう。」(藤井貞和著『詩的分析』より)

螺旋思考のホットな講義に多くの方々が集まれますように。 ぱくきょんみ

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申し込み方法
*「アヴァンギャルドのための絵本講座」受講生以外の方も、
2,000円の受講料で聴講することができます。
*受講ご希望の方は、事務室までお電話/ファックスでまたは直接お申し込みください
(定員に達し次第受付を締め切ります)。

■日時 : 2007年11月2日(金)18:15-19:45
■会場 : 四谷アート・ステュディウム講義室
■受講料 : 2,000円
■申し込み / 問い合わせ先 :
近畿大学国際人文科学研究所東京コミュニティカレッジ
四谷アート・ステュディウム事務室
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5 2F
tel.03-3351-0591
fax.03-3353-7300
(9:30-17:00、日曜・祭日 休)

藤井貞和[ふじい・さだかず]
1942年東京生まれ。詩人、古代文学・言語態研究。
詩集に、『ことばのつえ、ことばのつえ』『人間のシンポジウム』(以上、思潮社)、『ピューリファイ、ピューリファイ!』、『ラブホテルの大家族』、『神の子犬』(以上、書肆山田)他。
研究書・評論集に、『源氏物語の始原と現在』(三一書房)、『源氏物語論』(岩波書店)、『詩の分析と物語状分析』(若草書房)、 『平安物語叙述論』『物語理論講義』(以上、東京大学出版会)など。近著に『詩的分析』(書肆山田)がある。

◎12月7日(金) 今年度絵本講座の最終ゲストは、名作絵本『かばくん』の著者、
岸田衿子さんです。