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Experiment|実験コンセプト

09|中井悠+高嶋晋一

no collective

実験の目的

「様々な見方がある」という見方(加えて、読解方法を自由に選択できるという考え)や、同時進行する複数の出来事を「無関係性」という名のもとに束ねる観点それ自体を相対化する。

実験の仮説

たとえば、個々のパフォーマー(演奏者)の無関係性を強調するジョン・ケージの作品では、しばしば、彼らの共有する時間枠や場というメタフレームが浮かび上がってしまう。じっさいケージは、個別の素材を用意するよりも(あるいは、それに先立って)、メタフレームのみを制作する場合が多い。さらに、そのようなメタフレームに依拠して無関係に進められるパフォーマンスは、最終的にそれを見聞きする観客の目や耳において統合されると考えた。このような態度は結局のところ、複数の出来事が起こる器としての時空間の単一性と、それを受容する感覚器官の同一性という前提に基づいている。 何かが無関係だとわかるときには、無関係なもの(ノイズ)と関係あるものを選別するようなシステムが作動している。しかし、システムAにとってのノイズA'と、システムBにとってのノイズB'とはノイズの位相が異なる(と言明できる立場すら実はない)。つまり、一般的な(基底としての)「無関係性」は存在しないのではないだろうか?

実験の方法

ひとつのメタフレームに複数のシステムが位置づけられるのではなく、複数のシステムのそれぞれが個別のフレームとして互いを読解しあう状況を組織する可能性を探る。