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Experiment|実験コンセプト

12|菊池正、鶴崎いづみ、外島貴幸

in coh ER ent / session II

実験の目的

共通のルールをもたない、相互に異なるコードを有する者達が、にもかかわらずひとつのシステムとしての「全体」を出現させる(閉じた系をもつ部分が全体を機能させる)。

実験の仮説

生物の体内やその外部(環境)を「場」として捉えると、お互いに共通のコードをもっていない部分が、しかし全体としては連関をなしてひとつの「場」を形成していく、という現象が見られる。ここではネットワークを織りなす諸対象が、あらかじめ統制されているわけではない。だからこそ、それぞれの振る舞いが衝突したときに予測不可能な事象が現れる。それは、ディスコミュニュケーションであるとも、コミュニュケーションであるともいえない。ひとつの「場」を設け、お互いに異なる入力-出力系をもつ個人がそこに集ったとき、そのような意味での予測不可能性を孕んだ関係性を出現させることが可能なのではないか。

実験の方法

共通の設定(場)として、朗読会を設ける。そこでの個々の振る舞いは、それぞれのルールに則って行なわれる。また個々に異なる入力-出力系をもち、それは朗読の状況に規定される。規定されるがゆえに、朗読が進行するにつれ、それぞれの入力-出力系にお互いの影響が現れざるを得ない。またそれは、朗読の状況にも変化をもたらすだろう。このような、無関係でありながらフィードバックをもたらすような方法により、前述の意味での関係性を構築していく。