岡崎乾二郎ゼミ基礎 2005年前期最終課題発表会

課題
すでにある事物(ペットボトル、眼鏡、帽子、ペン、服、椅子等々)を分析し、事物が構成されている部分同士の関係─シンタックスを読み取り、それを 使って建築を計画しなさい。その際、何の建築なのか─彫刻家の住居、図書館、宇宙船、温泉施設、芸術学校、刑務所等々─も考え、提示する。

1
事物には、すべてシンタックス―部分同士の関係性がある。それを読み取り、事物同士を結びつけてみる(Mappingする)。それにはまず、それぞれの 事物を部分に分解し、機能を分析する必要がある。例えば、コーヒーカップであれば、コーヒーを貯める器部分、取手、器部分を支える高台。そのコーヒー カップを「顔(頭)」と結びつけるとすれば、器部分は頭蓋骨、取手部分は鼻、高台は首、とみることができる。では、同じコーヒーカップを「草」に結びつ けようとするとどうなるか。液体が注ぎ込まれ貯める器部分は、水分を吸い上げ貯蔵する草の根にあたるとも言える。そう読み込んだとすると、器部分は、通 常のコーヒーカップ使用時とは逆に、高台を支える部分となり、高台は根に支えられた葉の部分としてみることができるだろう。

2 
図面を、細部にまで情報が詰め込まれたリアリティのあるものにしていくには、事物から見つけ出したシンタックスをどこまで読み込むことができるかにか かっている。そのためには、完成品(建築)がどのように理解され、使用されるか─機能性を考えなければならない。使われ方/何のための建築なのか、 を考えなければ、細部(ディテール)を埋めていくことはできない。

3 
事物と事物(例えば、コーヒーカップと建築)を結びつけるためには、それぞれの事物がもつ多元的な『機能』をいかに読み込み対応させるかが重要である。

(四谷アート・ステュディウム 木原進)
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■期間 : 7月30日(土)〜8月5日(金) (7月31日は休み)

■開場時間 : 10時30分〜16時30分 (最終日は、15時30分まで)

■会場 :
GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE(四谷アート・ステュディウム1F)
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