2003.05.11 RAM LAB(田口卓臣 編)

エドワード・サイード「わたしたちの民主主義を返せ」
(オブザーバー紙 2003年4月20日)
Give Us Back Our Democracy
Edward Said

The Observer, Sunday 20 April 2003

【原文】http://www.zmag.org/content/print_article.cfm?itemID=3493&sectionID=43
【日本語訳】http://home.att.ne.jp/sun/RUR55/J/GiveUsBackOurDemocracy.htm


【概要】

エドワード・サイードは、アメリカが9.11.事件以降対外的に行ってきた攻撃、その機に乗じてイスラエルが断行したパレスチナへの攻撃を批判する。彼は、ほかならぬアメリカがサダム・フセインの圧政を支持していた事実を喚起する。アメリカで行われた「世論調査」の偏向ぶりを突き、「侵略の口実だった(イラクの)大量破壊兵器が、今でもまだ見つからない」現状を指摘する。そして最後に、メディアによる一方的な情報操作(戦争支持映像の垂れ流し)が支配するアメリカには、もはや民主主義が存在しないと診断する。


【抜粋】

「ある国を解放し、民主化するとは、いったいどういう意味だろう?誰からもそんなことを頼まれたわけではないし、またそのために軍事占領しておきながら、法と規律を維持することができないというのに。 13年間も彼ら(イラク)を隔離し、爆弾を投下しておきながら、「現地人」が自分たちの侵入を歓迎してくれるだろうなどと想定するとは、なんと滑稽な戦略計画のまねごとだろう。(中略)それでも、アメリカ人はだまされ、イラク人はとてつもない苦しみを味わい、ブッシュはカウボーイ気取りにふるまっている。 限りなく重要な問題は、憲法の原則が踏みにじられ、選挙民は嘘をつかれているということだ。わたしたちこそが、みずからの民主主義を回復しなければならない国民なのだ。」


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